NewJeansが所属している韓国の芸能事務所「ADOR(アドア)」。
一体、どのような組織なのか。気になったので調べてみました。
最後までご覧いただけるとうれしいです。
ADORはHYBEの新レーベル
ADORは「All Doors One Room」の略。韓国の芸能事務所です。
HYBE Corporation(ハイブコーポレーション)の完全子会社になります。
HYBE Corporationは、Big Hit Entertainment(2005年2月1日設立)から社名が変更されました(2021年3月31日)。
HYBEには3つの部門があります。
・Hybe Labels
・Hybe Solutions
・Hybe Platforms
現在のHybe Labelsには以下の事務所・アーティストが所属しています。
事務所 | 所属アーティスト |
Big Hit Music | BTS、TOMORROW X TOGETHER、Lee Hyun |
Belift Lab (with CJ E&M) | Enhypen |
Source Music | LE SSERSFIM |
Pledis Entertainment | Seventeen、Baekho、Minhyun、Bumzu、Nana、Yehana、Sungyeon、Fromis 9 |
KOZ Entertainment | Zico、Dvwn |
ADOR | NewJeans |
ADORは、Source Music傘下の部門を分割し、それをHYBEが投資・買収し、2021年11月12日にHYBE傘下の新レーベルとなりました。
ADOR「CEO」はミン・ヒジンさん
ADORのCEOはミン・ヒジンさんです。
SMエンターテイメントのクリエイティブディレクター出身。
SM在職時は、少女時代、SHINee、f(x)、EXOなど、革新的なアーティストブランディングを提示し「天才クリエイティブディレクター」と評されました。
Varietyの「グローバルエンターテインメント業界に影響を与えた女性」にも選定されています。
K-POP界の敏腕ディレクターです
ミン・ヒジンさんは2021年7月1日、HYBEのCBO(ブランド統括)に就任しています。
その折、BTSの生みの親であるHYBEのパン・シヒョクさんは「ミン・ヒジン新CBOは、エンターテインメント業界の関係者なら誰もが知っている方で、K-POPに『ビジュアルディレクター』と『企画者』という概念を定着させたリーダーの中のリーダーだ」と語っていました。
周囲からの期待を一身に背負うミン・ヒジンさんには「独自のレーベルを持ちたい」という思いが強くありました。
その構想を実現させる最短の道が、HYBEに入社することだったようです。
SMエンターテイメントを退社し、HYBEに入社した理由について、音楽業界のインタビューで次のように答えています。
「SMでクリエイティブ・ディレクターとして働いていたので、予想がつかないかもしれませんが、私は以前から自分が望む音楽でアルバムを作りたい、つまり自分の思い描いたレーベルを作りたいという夢を持っていました。だから、ADOR設立への最短距離だと思い、入社を選びました」
また、新レーベルの構想についても語っています。
「これまでの K-POP シーンでは見られなかったような、まったく新しい外観のレーベルを作りたかった」
「私が目指している種類の音楽は、K-POP シーンでは実際には試みられていないものなので、これを推し進めるには独立したレーベルが不可欠だった」
HYBEから課せられたCBOとしての責務を果たしつつ、自身のレーベルであるADOR設立に注力していきます。
そして2021年11月12日、HYBEはミン・ヒジンさんをCEOとするADORの設立を正式に発表しました。
ADORのCEOに専念するため、HYBEのCBOは辞任します。
ミン・ヒジンさんはADORのCEOとして世間にメッセージを発信しました。
「新たな挑戦を恐れることなく、ADORだけの哲学を見せることができるアーティストIP(知識財産権)とコンテンツを披露していきます」
ADORがHYBE傘下の他のレーベルと違うのは、「自主性を担保されて誕生した独自ラベルであること」。
ミン・ヒジンさんはNewJeansリリースの裏事情について語っています。
「ADORは自主性を担保してスタートしたレーベルなので、HYBEの運営とは一切関係ありません。彼ら(HYBE)は2022年7月22日に最初のミュージックビデオがリリースされるまで、私たちがリリースしようとしているものについて何も知りませんでした」
ADORはミン・ヒジンさんの世界観に包まれた独自性の強いレーベルなのです
ADOR初の女性アイドルグループ「NewJeans」
新ガールズグループ誕生の経緯
ADORが設立される2年前の2019年10月、HYBEとSouce Music合同の「PLUS GLOBAL AUDITION」(プラスグローバルオーディション)が世界3大陸16都市で開催されました。
新人ガールズグループメンバーを選抜する公開オーディションです。
開催都市は、ロサンゼルス、ニューヨーク、パース、シンガポール、メルボルン、釜山、光州、大阪、札幌、台北、ソウル、東京、高雄、ハノイ、バンコク、ホーチミン。
【公開オーディション 招待ビデオ】
2019年9月末にキャスティングが完了し、2020年初めにトレーニングが開始されましたが、コロナのために2021年デビューが延期されることになりました。
そして予定よりも早く、2021年11月12日にミン・ヒジンさんの新レーベル「ADOR」が設立されたことから、2019年の「PLUS GLOBAL AUDITION」で選抜されたメンバーを中心にADORに移籍。
そして2022年7月22日、ADORから初の女性アイドルグループ「NewJeans」がデビューをすることになりました。
ミン・ヒジンさんが直接メンバーを選抜し、トレーニングや生活まで指導したメンバーのため、NewJeansは「ミン・ヒジンのガールズグループ」といわれています。
コロナで延期されなければNewJeans誕生もどうなっていたか分かりませんでした
NewJeansのメンバー構成
NewJeansは、ベトナム出身者と韓国出身者の4人のメンバーを含んだ5人で構成されています。
4人の韓国人メンバーのうち1人はオーストラリア人の血を引いており、国際的に活動範囲を広げています。メンバーはミンジさん、ハニさん、ダニエルさん、ヘリンさん、ヘインさんです。
NewJeansグループ名の由来
NewJeansのネーミングには2つの意味が込められています。
1つは、ファッションアイテムであるジーンズに由来します。
ミン・ヒジンさんは次のように語っています。
「大衆音楽は服と同じく、日常生活に至近距離で寄り添う文化であり、特にジーンズは時代を問わずに老若男女に愛されてきたファッションアイテムです。NewJeansにはそんな日常でつい手に取ってしまう、いつ履いても飽きないジーンズのような時代のアイコンになるという抱負が込められています」
もう1つは、「Jeans」を「Genes」に言い換えた言葉遊びで、「New jenes」(新しい遺伝子)として新世代のポップミュージックを先導する覚悟が込められているといいます。
グループ名に込められた意味の通り、K-POP界の「新しい遺伝子」になりつつありますね
サプライズリリースで電撃デビュー
2022年7月1日、ADORから新人女性アイドルグループの公開が予告されました。
7月22日、グループ名と同時にミニアルバムの収録曲「Attention」のミュージックビデオが公開され、NewJeansは電撃デビューを果たします。
ですが、NewJeasはアルバムのリリースに先立って、YouTube にミュージックビデオを公開し、3つのシングルを順にリリースするという方法を採用しました。
このサプライズリリースは世間的にインパクトを与えました。
しかし音楽業界では特に目新しい方法ではなく、新人がデビューする方法としては認知されるのが遅い点でリスクがあるようですが、ADORはあえてサプライズとリスクを選択しました。
理由は2つ。
・純粋にNewJeansの音楽にすべての焦点を当てるため
・ミニアルバム収録の4曲に自信があったため
ミン・ヒジンさんを中心にした緻密なADORの戦略によって、サプライズリリース後、NewJeansの知名度は一気に広まり、世界からも高く評価されることになります。
親会社HYBEの株価が急騰
NewJeansの公開後、ADORの親会社であるHYBEの株価にも影響を及ぼし、前日比6.37%高の16万7000ウォンで取引を終了するといった株価が急騰しています。
デビュー翌日にはメンバーの名前と同時に「Hype Boy」のミュージックビデオが公開。
「Attention」と「Hype Boy」はそれぞれMelon TOP 100チャートにK-POPアイドルのデビュー曲としては初めて1位と2位に連続ランクインしました。
ミュージックビデオが海外で撮影され、多様なキャストが登場していることも、多様性の観点で高く評価されました。
12月19日、2023年1月2日の1stシングル「OMG」のリリースに先駆け、プレリリースシングルとなった「Ditto」は、リリースから2時間でMelonとgenieとBugs!のリアルタイムチャートで1位を獲得しました。
1月2日にリリースした、1stシングル「OMG」においては、オリコン週間合算シングルランキングで初登場1位を獲得。初動販売枚数は70万枚を記録しています。
またK-POP史上、デビュー後最短でビルボードHot100へチャートインすることになりました。
ADORの戦略の成果ですね
サプライズデビュー 業界における意味
NewJeansが、HYBE傘下のレーベル初の「サプライズ」デビューを果たし、シングルで記録を塗り替え、チャート上位に食い込んだことは、音楽業界にとって、どのような意味となったのでしょうか。
ミン・ヒジンさんは語っています。
「新しいことに挑戦してもいいんだよ」という希望や安心感を与えられることに意義があると思います。私たちは失敗を恐れて、安定したものに固執しがちですが、安定したものに固執しているだけでは、何も面白いことは起こりません。世の中を面白くするためには、新しいことに挑戦し、それを受け入れる姿勢が必要なのです。私は、いつもNewJeansのメンバーと話をしています。そして、私たちが取り組む新しいことが、人々の生活をもっともっと楽しくしてくれることを願っています」
ADOR所属パフォーマンスディレクター
NewJeansのパフォーマンスは高く評価されています。
演出と振り付けを担当しているのが、ADOR所属パフォーマンスディレクターであるキム・ウンジュさんとBLACK.Qさんです。
キム・ウンジュさんは、 BIGHIT MUSICのTOMORROW X TOGETHERのメインパフォーマンスディレクター、Source Musicのパフォーマンスディレクターを務めていました。その後、設立されたADORに移籍しました。
BLACK.Qさんはダンスクルー「EO-DDAE」のメンバー。ダンスの師匠はキム・ウンジュさんです。
2021年 ADOR初「GLOBAL AUDITION」を開催
ADORは、2021年12月1日から2022年1月10日まで公式ホームページを通じて、最初の「ADOR GLOBAL AUDITION」を開催しました。性別と国籍に関係なく2002〜2010年の出生者は誰でも出願可能だったそうです。
さらに、2022年9月19日から10月19日まで「ADOR GLOBAL AUDITION」を開催しました。
今後、NewJeansに続くボーイズやガールズのアイドルグループが誕生するのは確実。
次にどのようなグループがデビューするのか楽しみです!
まとめ
いかがだったでしょうか。
ADORは音楽業界で新しい挑戦を続ける革新的レーベルであり、NewJeansは、K-POP界の「新しい遺伝子」を担うホープメンバーであることが分かりました。
今後のADORの運営、NewJeansの活躍に注目していきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。